動画配信サービスプラットフォーム「YouTube」が2019年12月10日に利用規約を更新すると発表したことで、新しい規約によって運営の判断でチャンネルが勝手に削除されるのではないかという憶測が飛び交っており、物議を醸しています。
今回の記事では誤った情報の拡散を防ぐため、YouTube公式の発言を基に、新規約の真意について解説していきます。
「YouTubeチャンネルが削除される」の誤解
最も誤解が広まっているのは「YouTubeにとって利益にならないチャンネルは、YouTubeの判断でアカウントBANが可能」という情報です。新規約に記載されている下記の内容から広まっているようです。
本サービスの変更に基づく YouTube による解除
YouTube が独自の裁量により、お客様への本サービスの提供がもはや採算に合わない事業となったと判断するに至った場合、YouTube はお客様またはお客様の Google アカウントによる、本サービスの全部もしくは一部へのアクセスを解除できるものとします。
確かに上記の文章だけを読むと、明確にチャンネルが削除されるとは書かれていないものの、YouTubeはお客さんのGoogleアカウントに対してサービスへのアクセスを解除できるのか…と思ってしまいそうですよね。
ですが、安心してください。
YouTube公式ツイッターアカウントでは「YouTubeには収益のないチャンネルを削除する権利なんてありません」と明言しています。
To clear this up, the “commercially viable” section is not about terminating an account bc it’s not making money. It’s about discontinuing certain features or parts of the service bc they are outdated or have low usage. This does not impact creators or viewers in new ways.
— TeamYouTube (@TeamYouTube) November 12, 2019
上記のやり取りを和訳してみました。
ユーザー「一部の人達が新しい規約を見て、収益のないチャンネルをYouTubeが削除しようとしている…と言っています。私はチャンネルを開設したばかりで登録者数500人、まだ収益化もできないのですが、削除されてしまうのですか？」
YouTube「新規約に書かれているのは利益のないチャンネルを削除することではなく、YouTubeにある機能やサービスのうち、古くなっていたり使用率の低いものを停止するということです。クリエイターや視聴者には何ら影響はありません。」
上記のやりとりから、先ほど引用した規約の真意は「停止するのはユーザーのチャンネルではなく、YouTube側の機能の一部」であることが分かりますね。
規約の書き方が非常に紛らわしいので、ここまで大きな騒ぎになってしまったのでしょう。ちなみにYouTube公式ツイッターアカウントへのリプライ欄では書き直せと文句を言われています。
今後はプレゼント企画がブラックになる
本サービスの利用には制限があり、以下の行為が禁止されています。
6.本来のユーザー エンゲージメントの測定結果を歪めること、またはそのように仕向けること。たとえば、ユーザーに金銭を支払ったりインセンティブを与えたりして、動画の視聴回数、高評価数、低評価数を増やす、チャンネル登録者を増やす、またはその他なんらかの方法で指標を操作することなどが含まれます。
新規約で留意しなければならないのは、どちらかというと、この項目ではないでしょうか。
簡単にまとめると「YouTubeを介して視聴者にモノやお金をプレゼントするのはダメ」ということです。
ここに書かれているユーザーエンゲージメントというのは、視聴者がそのチャンネルにどれだけ興味を持っているかを表す指標です。
つまり、モノやお金で視聴者の興味を引いて、YouTubeがやっている分析結果を濁らせないでほしいということですね。
この新規約は非常に好感が持てます。これでクリエイター達はみんな同じ土俵で視聴者を獲得するために切磋琢磨できるようなりました。
さいごに
そもそも収益の無いチャンネルが削除されてしまうようであれば、新しくチャンネルを作成した時は登録者数ゼロで収益化もできないのですから、新しいチャンネルが設立できなくなります。メチャクチャですよね。
ということで、新規約に怯えてYouTubeから去る必要はありません。誤解していた皆さん戻ってきてください。
僕がよく見ている加藤純一さんやしょこさんはスーパーチャットをオフにしているので、この噂を目にした時は少し焦りましたが、今後も問題なく活動を続けていけますね。ただし、しょこさんはゲーム『デッドバイデイライト（DbD）』で女性キャラクターのスカートを覗こうとしたり、最近ではお風呂場でゲーム実況動画を撮影しているので、別の規約に引っ掛かってしまうかもしれません。
