9月3日、かつてのスクウェアが手掛けたRPG『FINAL FANTASY VIII』のリマスター版である『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』がスクウェア・エニックスより登場しました。
Steamではリリース前から売上トップにランクインしていた同作品ですが、残念ながらリリース直後からBADレビューが相次いで投稿され、ついにはレビュー平均が「ほぼ不評」になってしまいました。
なぜ『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』はプレイヤーにとって不評なのか?リリース前の期待を裏切る結果となってしまったのか?
少年時代に『FINAL FANTASY VIII』を途中までプレイしたものの記憶に残っておらず、ほぼセカンド初見プレイといってもいい筆者が、実際に『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』をプレイしてみて感じた不評の理由をまとめていきます。
ギャップに違和感を覚えるグラフィックのクオリティ
『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』で一新されたのは主に”キャラクターグラフィック”と”インターフェース”だけです。
マップや背景のテクスチャ、ムービーなどのデータはオリジナルのままで、基本的に手は加えられていません。
そのため、マップを駆け回るキャラクターとマップや背景のテクスチャには激しいギャップがあります。上記のスクリーンショットを見てもらえば分かりやすいでしょう。
建物やマップ内に立っているNPCはとてもぼやけていて、逆に主人公やマップ内の主要キャラクターおよび走行中のバスはくっきりしています。
主人公たちのグラフィッククオリティが向上したのは嬉しいのですが、あまりに他のグラフィックとのクオリティにギャップがあるので、違和感を覚えざるを得ません。
それだけでなく、グラフィッククオリティのギャップも相まってマップ内で移動可能な場所や調べられるスポットが分かりづらく、自然とゲームの難易度を向上させています。
実際にプレイしていても「あれ?ここ行けるの?」「えっ、ここ行けないの?」と思えるシチュエーションが何度もありました。
中途半端な解像度とフレームレート
『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』は16:9のフルスクリーンに対応しているのですが、実際に設定してみると、とても中途半端なフルスクリーンになります。
もともとの映像が4:3なので左右の黒帯は仕方ないとして、気になるのは上下の黒帯。この上下の黒帯はマップ移動中、戦闘中、ムービー中とゲームプレイ中はほぼずっと発生します。
フレームレートの上限は30です。オリジナルがプレイステーションなのでフレームレートの値に関しては仕方ないとも言えるのですが、気になるのは戦闘およびムービーにおける最大フレームレート。戦闘およびムービーのフレームレート上限は15と、かなり低い数値になっています。
ムービーに関しては前述したとおり、オリジナルをそのまま利用しているので仕方ないでしょう。しかし、戦闘はグラフィックを一新しているので、どうせならフレームレート上限も上げて欲しかったと思ってしまいます。
せっかく綺麗になったグラフィックがフレームレート15でカクカクと動いているのは、非常に勿体ないです。
一部のグラフィックが一新されたのは喜ばしいことですが、他がオリジナルそのままなのでグラフィック間のギャップを生んでしまい、結果的に中途半端なクオリティとなってしまった…と、多くのプレイヤーが感じていることでしょう。
2,500円という販売価格では満足できない
『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』はPS4、Nintendo Switch、Xbox One、Steamの計4つのプラットフォームで販売されています。
販売価格はすべて2,500円ですが、正直なところ満足しにくい価格であることは否めません。
ちなみに2014年には『ファイナルファンタジーVIII for PC』というWindows版のグラフィックを一新していない移植タイトルが登場しており、こちらは1,500円でした。
Steamのレビューにもあるとおり、『FINAL FANTASY VIII – REMASTERED』の中途半端なグラフィックに2,500円を支払うのであれば、当時のグラフィックそのままで遊べる1,500円の『ファイナルファンタジーVIII for PC』を購入した方が良いと思う人もいるでしょう。
一新されたグラフィックに1,000円の価値を感じるか感じないかの違いです。
未プレイであれば「買い」かもしれない
前述したように、筆者はオリジナルの『FINAL FANTASY VIII』を少年時代にプレイしましたが、クリアに至っていません。ましてや15年以上前にプレイしたので内容もほぼ記憶に残っていません。
作品としては評価の高い部類なので、未プレイの方であればひとつの作品として充分にゲームを楽しめるでしょう。実際に筆者も曖昧な記憶を辿りつつゲームをプレイしています。
しかし、過去に『FINAL FANTASY VIII』をプレイしクリアしている方や、既にストーリーを知っている方にとってはやはり中途半端な作品(主にグラフィック的な意味で)として捉えられてしまっても仕方ないのかもしれません。