「デスク上がケーブルと機材でごちゃごちゃしている」
「もっとクリアな音声で視聴者に声を届けたい」
「ゲーム配信中にマウスやキーボードがマイクに当たってしまう」
ゲーム配信を行う中で、このような悩みを抱えていませんか? その悩み、マイクアームを導入することで一気に解決できるかもしれません。
マイクアームは単にマイクを支えるだけのアイテムではありません。デスクスペースを広げ、マイクと口元の距離を一定に保つことで音質を安定させ、さらにマウスやキーボードなどの操作による振動ノイズを低減できます。
本記事では、ゲーム配信に適したマイクアームの選び方と、おすすめのマイクアームを紹介します。
マイクアームの選び方
マイクアームは一度購入すれば長く使えるアイテムですが、自分のデスク環境に合わないものを選んでしまうと、「取り付けられない」「すぐに垂れ下がってくる」といったトラブルになりがちです。失敗しないためにも、選び方のポイントを押さえておきましょう。
デスクに取り付け可能か?
まず最初に確認すべきは、マイクアームを自分のデスクに設置できるかどうかです。
マイクアームの固定方法は主にクランプ式と、天板に穴を開けるグロメット式の2種類があります。大切なデスクを傷つけたくない場合はクランプ式のマイクアームを選ぶのが一般的です。
- 天板の厚さ:クランプが挟み込める厚さに対応しているか。
- 天板の奥行き:クランプを奥まで差し込むためのスペースが確保されているか。また、デスクの裏にフレームがある場合、クランプが干渉して取り付けられないことも。
- デスクの背面スペース:デスクを壁にぴったりつけている場合、クランプの金具やアームの可動部が壁に干渉することがあります。数センチの隙間が必要になるケースが多い。
マイクの重量に耐えられるか?
マイクアーム選びで特に重要視したいのが耐荷重です。マイク本体の重量に耐えられるだけでなく、以下のようなマイクアクセサリーを装着することも想定して、合計重量に耐えられるマイクアームを選ぶ必要があります。
- ショックマウント(振動吸収用のサスペンション)
- ポップガード(ポップフィルター)
- マイクケーブル
耐荷重ギリギリのマイクアームを使用すると、使用中に徐々にアームが下がってくる可能性があります。耐荷重には余裕を持たせておきましょう。
マイク選びに迷っている人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
マイクホルダーの互換性
アームの先端のネジ規格が、手持ちのマイクやショックマウントと互換性があるかを確認します。一般的な規格は以下の3種類です。
- 1/4インチ
- 3/8インチ
- 5/8インチ
多くのマイクアームにはネジ変換アダプターが付属していますが、中古品や一部の製品には付属していない場合もあります。購入前に付属品リストをチェックし、必要であればネジ変換アダプターを別途用意しましょう。
可動範囲とアーム長
マイクアームの可動範囲やアーム長は、どの位置にマイクを配置したいかをイメージして選ぶとよいでしょう。
- アームの長さ:モニターの上を通すのか、横から通すのかによって必要な長さが異なる。
- 可動域:上下左右にスムーズに動かせるか。
- 干渉の回避:マイクを口元に配置したとき、モニターを隠してしまったり、マウスを操作する手とぶつかったりしないような可動範囲が必要。
ゲームプレイに支障が出ては本末転倒です。特に複数のモニターやウルトラワイドモニターなどを使用している場合、短いモニターアームだと干渉する可能性があるため、可動範囲が広く長いモデルを選ぶ必要があるでしょう。
マイクをキーボードの真上に配置すると、打鍵音を拾いやすくなります。アームを使って口元に近づけつつ、キーボードからはなるべく距離を取る(または指向性の死角にキーボードを配置する)のがベターです。
また、ローセンシ(低感度)設定でマウスを大きく振るプレイヤーは、アームの根本や肘部分がマウス操作の邪魔にならないか確認しましょう。
ケーブルマネジメント

配信環境を美しく保つために欠かせないのが、ケーブルマネジメント(配線処理)です。安価なマイクアームでは、ケーブルをマジックテープや結束バンドでアームの外側に縛り付けるタイプが多いですが、上位モデルではアーム内部にケーブルを収納できるものもあります。
ケーブルがアーム内に隠れるだけで、デスク周りの見た目が劇的にスッキリし、掃除もしやすくなります。配信映えを意識する配信者であれば、ぜひこだわりたいところです。
配信に適したロープロファイル型のマイクアーム
近年では視界を遮らないロープロファイル(低重心)型のマイクアームが増えてきました。従来のマイクアームは高い位置からマイクを吊り下げる形状が主流でしたが、ロープロファイル型はモニターの下の隙間からマイクを伸ばすことができます。
- メリット:配信者の顔やモニター画面をアームが遮らない。圧迫感がない。
- デメリット:デスク上のスペースがやや制限される。
自分の配信スタイルやデスク上のレイアウトに合わせて、従来型(ハイポジション)かロープロファイル型かを選びましょう。
おすすめのマイクアーム7選
ここからは、ゲーム配信におすすめのマイクアームを厳選して紹介します。信頼性の高い音響メーカーやゲーミングデバイスメーカーから、耐荷重別にピックアップしました。
耐荷重1.5kgまで
エントリークラスから中量級のマイクセットアップに適したモデルです。
FIFINE BM88

「BM88」は、コストパフォーマンスとデザイン性を両立したマイクアームです。同価格帯のマイクアームは見た目がチープになりがちですが、BM88は金属の光沢感による高級感があります。
BM88の特徴は、コンパクトなロープロファイル設計であること。モニターの下を通してスッキリ設置でき、視界を遮りません。ケーブル収納レーンも備えており、配線も綺麗に隠せます。耐荷重は1.5kgあるため、一般的なUSBマイクや軽量なXLRマイクであれば、ショックマウント込みでも十分に支えられます。
1/4インチから3/8インチ、3/8インチから5/8インチへのネジ変換アダプターがそれぞれ付属しており、多くのマイクホルダーに対応。ブラック以外にもホワイト「BM88W」や、ピンク「BM88P」といったカラーバリエーションも豊富です。
- 耐荷重:1.5kg
- タイプ:ロープロファイル
- おすすめ:初めてマイクアームを導入する人や、ロープロファイルのモデルがほしい人
ロジクール G COMPASS

「COMPASS」は、数多くのゲーミングデバイスを手掛けるロジクール Gのマイクアームです。以前は「Blue COMPASS」として販売されていましたが、2025年11月時点ではBlueの名称が取り除かれ、本体のロゴもロジクール Gのものとなっています。
密閉型アルミニウムを採用した堅牢な構造と、内部に組み込まれたスプリング機構を特徴とするマイクアーム。マイクの微調整が容易で、設置した位置でピタッと止まる高い安定性が魅力です。ケーブルはアーム内に収納できるため、デスク上がすっきりとします。また、洗練されたデザインは配信映えにも期待できるでしょう。
マイクホルダーのネジは3/8インチと5/8インチに対応しています。
- 耐荷重:1.1kg
- タイプ:ハイポジション(通常型)
- おすすめ:プロ仕様の堅牢なデザインを求める人
耐荷重2.0kgまで
プロ仕様の重いマイクや、しっかりしたショックマウントを使いたい人向けのスタンダードクラスです。
オーディオテクニカ AT8700J

「AT8700J」は日本が誇る音響メーカー、オーディオテクニカのマイクアームです。同社の人気マイク「AT2020」シリーズなどに対応する2.0kgの耐荷重を誇ります。
50mm厚まで対応する堅牢なクランプと、コンパクトに折りたためる省スペース設計が特徴。ケーブルを留めるためのファスナーも付属しており、配信環境をすっきりと整理できます。質実剛健で長く使えるモデルを探している人におすすめです。
マイクホルダーのネジサイズは5/8インチに対応。また、ホワイトカラーの「AT8700J WH」もラインアップしています。
- 耐荷重:2.0kg
- タイプ:ハイポジション(通常型)
- おすすめ:AT2020ユーザーや信頼性重視の人、オーソドックスなスタイルを好む人
サンワダイレクト 100-MCST001

日本のPC周辺機器メーカー・サンワダイレクトの「100-MCST001」は、シンプルながら必要な機能が詰め込まれている、コストパフォーマンスに優れたロープロファイルのマイクアームです。
クランプ式とグロメット式の両方に対応しているため、デスクに穴を開けてガッチリと固定したい場合にも使えます。ケーブルカバーで配線を隠すことができ、アームを動かしてもケーブルがもたつかない設計です。2.0kgの耐荷重でありながら、動作も滑らか。コストを抑えつつ、しっかりした耐荷重のマイクアームが欲しい人にとって有力な選択肢となるでしょう。
本体は3/8インチのネジに対応し、5/8インチおよび1/4インチへのネジ変換アダプターが付属しているため、幅広いマイクホルダーに対応しているのも魅力です。ブラックの他にホワイトカラーの「100-MCST001W」もラインアップしています。
- 耐荷重:2.0kg
- タイプ:ロープロファイル
- おすすめ:ロープロファイルでコストパフォーマンスに優れたモデルがほしい人
Elgato Wave Mic Arm LP

Elgato(エルガト)の「Wave Mic Arm LP」は、配信やレコーディングに適したロープロファイルのマイクアームです。
アームは水平方向に360°回転するため、マイクの位置を細かく設定可能。デザインも秀逸で、マグネット式のケーブルカバーにより配線を完全に隠すことができます。取り付けはクランプ式になっており、保護パッドで大切なデスクを守ります。
1/4インチから3/8インチ、1/4インチから5/8インチへのネジ変換アダプターが付属しているため、幅広いマイクに対応。カラーはブラックやホワイト「Wave Mic Arm LP White」のほか、ワイルド ラベンダー・ピンク ペタル・グレイシャー アイス・フォレストグリーンといったカラーバリエーションも豊富です。
- 耐荷重:2.0kg
- タイプ:ロープロファイル
- おすすめ:マイクの位置を細かく調整したい人、ユニークなカラーのマイクアームがほしい人
GRAPHT ロープロファイル MICROPHONE ARM

日本のゲーミングデバイスを取り扱うブランド・GRAPHT(グラフト)が手掛ける「ロープロファイル MICROPHONE ARM」は、ゲーム配信に特化したロープロファイルマイクアームです。
モニター下にマイクを配置できるロープロファイル設計により、配信者の視界を遮らず、ゲーム画面に集中できる省スペースモデル。アーム内部にはケーブル収納スペースが確保されており、配線を隠して美しいデスク環境を構築できます。
3ヶ所の360°回転と150°の垂直回転により、自由度の高いマイク位置調整が可能。耐荷重は2.0kgで、ブラックの他にホワイトやピュアホワイトといったカラーバリエーションをラインアップしています。
- 耐荷重:2.0kg
- タイプ:ロープロファイル
- おすすめ:省スペースのマイクアームがほしい人、マイクの位置を細かく調整したい人
耐荷重2.0kg以上(ハイエンドモデル)
大型のコンデンサーマイクに対応する、プロストリーマー向けのハイエンドモデルです。
オーディオテクニカ AT8705

オーディオテクニカの「AT8705」は、ゲーム配信に適したロープロファイルのマイクアームで、2.2kgの耐荷重を誇ります。
重量のある本格的なコンデンサーマイクなどに対応し、最大50mm厚のデスクに設置可能。アームは水平方向に360°可動するため、マイクの位置を細かく調整できます。マイクケーブルはクリップでアーム内に収納可能。また、アームの高さを約14.5センチ追加できる延長パーツも付属しているため、デスク環境に合わせてセッティングしやすいモデルとなっています。
マイクホルダーのネジサイズは5/8インチに対応。カラーはブラックのみラインアップしています。
- 耐荷重:2.2kg
- タイプ:ロープロファイル
- おすすめ:高重量のマイクを使う人、マイクの位置を細かく調整したい人
まとめ
マイクアームは、一度設置してしまえば日々の配信クオリティと快適さをずっと支えてくれる縁の下の力持ちです。最後に本記事で紹介したマイクアームの選び方のポイントを整理します。
| デスク設置タイプ | クランプ式が主流。デスク天板の厚さと奥行きを確認すること。 |
| 耐荷重 | マイク本体+ショックマウント+ポップガードなどの合計重量で計算する。 |
| アーム形状 | 視界を遮らないロープロファイル型か、自由度の高いハイポジション型か。 |
| ケーブル処理 | ケーブル収納機能があると、デスク周りが美しくなる。 |
デスク環境と使用しているマイクに合わせて、最適な一本を選んでみてください。マイクアームを導入することでマイク音声の安定感が増し、より視聴者を楽しませることができるでしょう。
ゲーム配信におすすめのマイクについては、以下の記事をご覧ください。






















































































































