2025年3月、GITADORA(ギタドラ)シリーズの最新作「GITADORA GALAXY WAVE DELTA」が、新筐体「GITADORA -ARENA MODEL-」で稼働開始しました。パチンコ台を参考にしたのかと思うような左右モニターやタッチパネル、新たなドラムパッドの採用など新機能に心揺さぶられるものの、SNSや動画サイトでは酷評が相次いでいます。
筆者も初プレイでは、旧筐体でフルコンできそうな難易度の曲(たぶん「
ANEMONE -GITADORA EDITION-」のEXT)をプレイしたものの、達成率はまさかの50.0%台。さすがに引退しようかと悩みました。しかしクレジットと設定変更を重ねていくうちに次第に慣れ、30クレジットを消費したときには前バージョンの最終スキルから-300にまで到達。中には前バージョンよりも高い達成率を記録した曲もあるので、まだまだ伸び代が感じられます。
とはいえ、新筐体そのものの問題も蔑ろにはできません。本記事では新筐体「GITADORA -ARENA MODEL-」をプレイして感じた問題点と、思いつく限りの問題点に対する対処法(2025年3月29日時点)をまとめていきます。
なお、今回の記事作成にあたって埼玉県三郷市の「ゲームパニック三郷」さんにお邪魔しました。新筐体はDrumManiaとGuitarFreaksそれぞれ2台ずつ!平日の昼間だった(そうだと信じたい)ので、常にどちらかの台は空いていました。
【音ゲー】
本日入荷予定の「GITADORA -ARENA MODEL-」が稼働開始しました!
2セットご用意してますので、ご来店お待ちしております!!!#ギタドラ #GITADORA #GITADORA_X pic.twitter.com/1Pd03mE3vi— ゲームパニック三郷 (@GP_MISATO) March 26, 2025
新筐体「GITADORA -ARENA MODEL-」の問題点とその対処法
まずは、SNSや動画サイトでよく見られる新筐体の問題点を見てみましょう。あまりネガティブな記事にはしたくないので、問題点に対して可能な限りの対処法も併記していきます。
判定が合わない
「GITADORA -ARENA MODEL-」の問題点としてよく挙げられているのが、判定が合わないことです。ほぼ新品といえる筐体のはずなのにデフォルトで判定が合わないのは、音ゲーとしてかなり致命的ですよね。
「GITADORA GALAXY WAVE DELTA」では、前バージョンと同様にノーツ表示や判定タイミングの調整が可能で、筆者は最初の10クレジットくらいは1曲ごとに設定を変更していました。しかし判定タイミングを-4にするとSlowが多くなり、-5にするとFastが多くなり……と、何度プレイしてもちょうどいい設定にたどり着けません。そのため、自ら判定タイミングに合わせにいくことにしました(つまり、ひたすらプレイして慣れる)。
良くも悪くもプレイを重ねるごとに自分で設定した判定タイミングに体の動きが合うようになり、20クレジットほど消化したあたりからFastとSlowの数が半々くらいに。「慣れれば意外とイケるかも?」と気持ちが前向きになり、スキルの伸びも顕著になりました。
個人的な意見ですが、判定が合わないのは設定と慣れ次第で“ある程度まで”なんとかなると思います。もちろんその日のプレイヤーのコンディションや筐体のメンテナンス状況といった要素にも左右されますし、なにより慣れるまで時間とお金がかかるので、そこまでゲームに情熱を注げるかという問題もありますが……。
連打が反応しない
新筐体で一番の問題点だと思うのが、連打が反応しない(途切れる)ことです。この問題に関してはソフトウェアだけで解消できるものではないと思うので、バージョンアップで改善されるとは考えにくいのが辛いところ。特にフラムは絶望的です。間違っても「青春コンプレックス」とかプレイしてはいけません。ぼっちちゃんにはしばらく押入れにいてもらいましょう。
この問題に関しては再現性が低いのが、さらに厄介なポイント。対処法は“連打やフラムがない曲を選ぶ”くらいしか思いつきません。あまり強い非難はしたくなかったのですが、正直この問題はリコールレベルだと思います。
※2025年4月4日 追記
XのGITADORA OFFICIALアカウントより、2025年4月2日から修正対応を行っているとアナウンスがありました。修正箇所として挙げられていたのは、DrumManiaのパッド感度調整。後日プレイしてみたところ、連打やフラムが問題なく認識されたため、かなり遊びやすくなったように感じました!
なお、アップデートによって判定タイミングも改善された(体感)ようで、以前は「判定タイミング調整」を4~5で設定していたのですが、アップデート後は1~2でちょうどいいと感じました。
音量が小さい
また、新筐体から出力される音量が全体的に小さいという問題もあります。筆者は新筐体を異なる2店舗でそれぞれプレイしたのですが、設置環境によって聞こえ方が大きく異なると感じました。
ゲームパニック三郷さんではギタドラ筐体が壁側に設置されており、プレイヤーの背面には同じ向きの別の音ゲーが設置されていました。この設置環境だと他のゲームの音がほぼ耳に入らないため、音量はちょうどいい感じです。一方でもう片方の店舗では、プレイヤーの背面に別の音ゲーが横向きで設置されていたため、ギタドラの音はほとんど聞こえませんでした。
このように店舗によって差が大きいので、イヤホン・ヘッドホンを持参することをオススメします。新筐体はハイハットの下部に3.5mmのジャックがあり、イヤホン・ヘッドホンを使用してのプレイが可能です。
しかし、コードの長さに余裕がないと危険です。筆者が使用しているイヤホンはコードの長さが1.3mでしたが、プレイ中に引っかかるレベルでコードが張ってしまったため、とても使える状態ではありませんでした。最悪の場合、コードにスティックが引っ掛かり、思わぬ方向にスティックが飛んでいく可能性があるので要注意です。
処理落ちする
新筐体の処理落ちも大きな問題の一つですが、これは左右モニターのキャラクターを非表示にすることで対処できます。左右モニターは新筐体の目玉ともいえる機能なので惜しい気もしますが、キャラクターの動きが全体的にカクカクしていて、ドラムの響香さんに至っては手首が硬すぎてケガしそうなので非表示にして休ませてあげましょう。
なお左右モニターのキャラクターは非表示にしていても、フレーズコンボ達成時のカットインは表示されるので、臨場感は損なわれないと思います。
ノーツが見づらい
まだまだ問題はありますが、最後にノーツの見づらさについて触れておきましょう。まず、センターモニターはフレームレート(1秒間の動画が何枚の画像で構成されているか)は60だと推定されています。それだけであれば旧筐体と変わらない(はず)なので問題はなかったのですが、新筐体のモニターは50インチとかなりの大画面なので、旧筐体と比べてチラつきがより目立っています。
SNSや動画サイトでは、せめてフレームレート120はほしかったとの声が。この問題もソフトウェアだけでは解消するのが難しそうで、仮にセンターモニターがフレームレート60までしか対応していなかった場合は、モニターを変更しない限り今以上の視認性向上は見込めないでしょう。もしセンターモニターが60より高いフレームレートに対応していて、今後のバージョンアップで上限が開放されるとなれば問題は解消されますが……では、なぜ最初から高フレームレートに設定しなかったんだという話になるので、可能性は低そうですね。
新筐体「GITADORA -ARENA MODEL-」の良い点
掘れば掘るほど問題点が浮かび上がりそうなので、悪い点はいったんここまでにして、次は新筐体の良いと思う点を挙げていきたいと思います。
新しいパッドのサイズと打感
個人的に新筐体で採用された新しいドラムパッドは、そこまで悪くないかなと思います。理由としては打面が旧筐体と比べておそらく広いので、スカる確率が大幅に減少したからです。旧筐体はフロアタムの打面がかなり小さかった印象なので、筆者は結構スカってました(単純に下手なのもありますが)。
また旧筐体とは異なり、ドラムパッドにリムがないのも個人的には高評価です。本来のドラムであればスネアのリムショット時に手が太ももに当たらないくらいの高さにドラムセットを調整するのですが、ギタドラでは楽器ごとに高さを調整できないので、ドラムスローン(椅子)を高くするしかありませんでした。ドラムスローンを高くすればテクニカルな譜面は叩きやすくなる一方で、体が地面から遠いのでプレイの安定感が損なわれてしまいます。その問題をリムを取っ払うことで解消できたのは、ありがたいですね。
一方で打感に関しては甲乙つけがたい印象。旧筐体のYAMAHAドラムパッドに慣れていることもあり、最初は違和感しかありませんでした。新筐体の新ドラムパッドはシリコン製素材が使用されているとのことですが、旧筐体のドラムパッドと比べると跳ね返りが弱いです。おそらく多くの旧バージョンからのプレイヤーが苦戦しているのが、この跳ね返りではないでしょうか。これに関しても慣れるしかないのかもしれませんね。
設定を確認できるチェックモード
新筐体における最も優れた新機能は、チェックモードだと思います。これはノーツのスピードやレイアウト、ノーツ表示や判定タイミングの調整など変更した設定を、実際に譜面を見ながら叩ける機能です。選曲時間内であれば何回でもプレイチェックが可能なので、前述の判定が合わないといった問題に関しては、この機能で事前に調整しておくことで大事故を防げるでしょう。
酷評が多い新筐体ですが、このチェックモードを搭載したことによって、プレイヤーの不満をいくらか和らげる役割を果たしているかもしれません。
まとめ(総評)
なるべくネガティブにならないよう書いてみましたが、いかがだったでしょうか。
正しいかどうかはさておき、個人的には時間と金さえあれば新筐体に“慣れる”ことはできると思います。しかし今の新筐体に慣れるのはいいものの、今後のアップデートで現在の問題が徐々に改善されていったら……と思うと、やはりアップデート待ちという手も大いにアリでしょう。それくらい問題点が多いのが本当に残念です。
新筐体の登場でギタドラから離れてしまったプレイヤーも多いと思いますが、本記事ではそんなプレイヤーに向けて多少でもポジティブな情報が伝えられ、プレイのモチベーションになってもらえれば幸いです。
ちなみに筆者の前バージョン「GITADORA GALAXY WAVE」最終スキルは6668.91でした。新バージョン「GITADORA GALAXY WAVE DELTA」では30クレジット投入で6325.22だったので、だいぶ慣れてきたと思います。あと10クレジットも消費しないうちに赤グラには戻れそうですね。
前バージョン最終ネームカラーである赤グラ(スキル6500)に到達しました!