ドナルド・トランプ当選が示唆する「反グローバル化」の時代
各メディアの予想に反し、ついにアメリカ合衆国第45代目大統領ドナルド・トランプが確定しました。
国内でTPPが採決された直後の選挙ということもあり、アメリカ本国だけでなく日本の政治経済にも多大な影響を与える事が予想されます。
それにしても今回の大統領選挙は、イリギスのEU離脱時に近い緊張感がありましたね。
かたや度重なるスキャンダルにより嫌われ者と化した学歴優秀お嬢様。
かたやプロレス番組に出演して会長の髪を剃り落とした経歴のある下品で政治経験のない人種差別者。
まさに「苦渋の選択」と言わざるを得ない今回の大統領選挙でした。
いつぞやの日本のように、自民党が嫌だからとりあえず民主党に投票してみた流れを思い出させます。
ところで、トランプ氏はなぜ勝利できたのでしょうか。
そして、今後の日本含む世界はどのように変化していくのでしょうか。
今回の大統領選挙で重要なキーワードとなったのは、やはり反グローバル化です。
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グローバル化が作り上げた格差社会
オバマ大統領は2期に渡りアメリカ合衆国の大統領を務め、通称オバマケアと呼ばれる「医療保険制度改革」や温暖化対策を担う国際的な枠組み「パリ協定」への参加表明などの功績を残しました。
しかし、オバマ大統領が就任した2009年時点でアメリカ合衆国の負債額は12兆ドル、2016年現在では20兆ドルにまで膨れ上がっていき、アメリカ合衆国は貧乏国家の仲間入りを果たします。
更に国内では、グローバル化による貧富の格差が確実に広がっていきました。
8年間あまり大きなトラブルもなく職務を全うしたように見えるオバマ大統領ですが、国民の心の中では「貧困」や「格差」による不信感が膨らんでしまったのです。
そして2016年6月、アメリカ合衆国の国民同様グローバル化に耐えきれなくなったイギリスはEUを離脱します。オバマ大統領自身も「グローバル化がもたらした課題を示している」とコメントしていました。
これぞチャンスと言わんばかりにトランプ氏は反グローバル化を掲げ、サイレントマジョリティからの支持を集めることに成功し、みごと選挙に勝利したのです。
なにかと反対の声も多いトランプ氏ですが、少なくとも格差社会を望まない反グローバル化の国民から確実に支持を得ているという点は、評価すべきでしょう。
格差社会やグローバル化を望まない国は着実に増えてきており、これまで作り上げてきたグローバル社会からナショナリズムの時代へ突入していく予兆が感じられるアメリカ合衆国の大統領選挙でした。
さいごに
TPPどうなるんでしょうね。現時点では水に流してしまっても全然問題ないとは思いますが。
それと特に気がかりなのは日米の安保保障観ですね。今後のトランプ氏の言動に目が離せなくなります。